木造戸建のDIY 壁抜き編#01
〜抜いてよい壁、ダメな壁〜

築50年以上の木造一戸建ての木造に引っ越した30代Y夫婦。
躯体をいじらなければリノベーションOKという物件とのこと。
できるだけ自分たちで改修にトライしてみようと、引っ越しを決めたそう。
でも壁を抜くのはさすがに自分たちだけの判断で進められない、ということで、ズッキーに相談がきました。
抜いて良い壁はどんな壁か、壁の解体方法は?
ズッキーがお答えします。

こんちは!ズッキーこと鈴木です。

最近、ようやく「リノベーション」っていう言葉が日本でも使われるようになったけど、自分でやってみようかなぁ、っていう人も増えてきているね。

なんてったって、家は自分で手をかけるほど可愛くなってくるもの。
でも、ものによっちゃあ、いきなりはやっぱりハードル高いかな。

ついこの間も、DIYをしたいんだけどって、Y夫婦が相談にきたんだよ。

Y夫婦は30代の共働き夫婦。今までは賃貸マンションに住んでたみたいなんだけど、庭付き一戸建ての木造に引っ越したんだって。

築50年以上の物件で、古いから、躯体以外は改修OKだそう。以前住んでた人たちも、壁を黄色く塗ったり、引き戸部分を壁にして部屋を仕切ったり、洗面台も自分で付け替えたりと、思い思いにリノベーションしていたらしい。

Y夫婦もリノベーションの構想はいろいろ持っているみたいなんだけど、さあやってみようという段階で行き詰まっちゃたらしいんだ。

そこでうちに相談が来たわけよ。

どんな相談がきてどうアドバイスしたのか、その一部始終を、これから何回かに分けて伝えるよ!

まずはヒヤリング、「その壁、抜けますか?」

ということで、東京某所にあるY夫婦宅にお邪魔したんだ。

わざわざ来ていただいてありがとうございます!

いい家じゃねえか!こういう古い木造、大好きなんだよ

そうですか?ズッキーさんにそう言ってもらえるとなんだから嬉しい…

お!黄色い壁だね!あなたたちで塗ったの?

いえ、以前ここに住んでいたイタリア人の方が壁を黄色く塗ったと聞いています

大胆だね!いいじゃねえか!

はい。古い家のせいか、大家さんに相談したら改装可能な賃貸物件なんです。でも前回の東京オリンピックの時くらいに建てられた家だそうで、正直耐久性が心配で…

家も人と一緒でね、日頃のケアが大切。ちゃんとお手入れしていたら、家も長持ちするもんだよ。一概に築○年で寿命とか、決められないよ

なるほど…。人間もそれぞれ年の取り方も寿命も異なりますもんね

人間がたまにかかりつけの医者に診てもらうみたいに、家も家の専門家にみてもらって、何かあったら都度直していけばいいってもんよ。家もほったらかしじゃあ、気づいた時は大手術になっちまうよ

家も人間と一緒か…。私たちも健康でいるためには日頃のメンテナンスが重要ですもんね。定期的な健康診断も必要ですし、家も長持ちさせるためにはきちんと気にかけてあげないとですね

ところで相談ってなんだい?

まずはこの壁を抜きたいんです。キッチンと洋室の間の壁を…。ここが抜けたら洋室の窓の光がキッチンにも入ってきて、料理するのも楽しくなると思うんです。
あとは壁を塗ったり、フローリングを貼ったりするのは自分たちでやるつもりなんですけど、壁を抜くのとなると、さすがに素人判断は怖くて…

 

画像

(キッチン側からみた壁面。奥は棚、手前にはスイッチあり)

画像

(洋室側からみた壁面。クローゼットとなっている)

画像

(赤枠部分が抜きたい壁)

ちょっと隣の押入れから天井覗いていい?

もちろんです

画像
(返事するや否や、天袋にすばやく身を滑らせ、天井の裏を覗くズッキー)

 

ふむふむ。柱は取れないけど、壁は抜けるね。その壁とその壁も抜けるよ。そこは抜くと面倒

ズッキーさん、何を見ているんですか?

ちょっと覗いてみる?写真撮ってあげるよ

画像

 

わあ、こんな風になっているんですね!

天井の裏を覗くと、どの柱がどの梁に乗っかってて、どんな構造なのか、大体分かるんだよ。だからどの壁や柱が抜いてよくて、どこがダメなのか、ここをみてある程度判断できるよ

そうなんですね!それはやっぱり素人じゃ分からないですね

自分の体のことだって自分じゃ把握しきれないから医者に見せるでしょう?
家もおんなじ。家の調子が悪ければ、どこが原因なのか専門家にみてもらうのがいい時もあるんだよ。見た目だけじゃわからないこともたくさんあるしさ

木造建築の抜ける壁、抜けない壁の違い

日本の在来工法の木造はラーメン構造で柱と梁で造られていますので、内部の壁は意外と簡単に壊せます。
ただし、力のかかった柱部分は抜くと危険です。筋交いの入っている壁、外回りの壁は基本抜くのが難しいです。
ただし、構造計算をして補強すれば抜くことは可能です。
まずは調査は必要です。

また、ツーバイフォー(2x4)住宅の場合、壁構造ですので基本的には壁を抜くことができません。

構造が分からないまま、
やみくもにはじめても壁は抜けないよ

壁抜けるようでよかった!
でも、ズッキーさん。ここの壁、押入れとか棚になっているんですよね。
もしこのクローゼットの壁抜いたら床はどうすればいいですか?
画像
(洋室側のクローゼットの中の床。もともと人が上に乗ることを想定された床ではないので強度が弱く、踏むとたわんで抜けてしまいそう)

クローゼットや押入れの床は歩ける床として作っていないから、根太を組み替えたりやベニアも厚いのを貼り直す必要があるね

え!根太を組み替えるんですか?だいぶハードルが上がった気が…

大丈夫!そんなに難しくないからできるって

そうですか…?
であれば、ここの壁は抜きたいので、床も頑張ってやってみます!

OK!じゃあまず壁を抜くところからだね。どうやってやるかっていうと…

〝ズシっ!!〟

わっ!!
画像
(気がつけば部屋のどこかに置かれていたバールを手に持つズッキー。瞬時に壁の解体をはじめていた)

この壁はプラスターボード(石膏ボード)だから簡単に穴があくのよ。
まずはこうやって1箇所穴をあける。その穴からバールを入れ、貫板(柱などの垂直材間に通す水平材)の位置を探って壁から剥がす
画像

できるだけ大きく面で剥がすのがポイントだよ。細かく剥がすと石膏ボードの破片が散らばって掃除が大変だからな。ちなみに解体はこまめにゴミを集めながら進めた方がいいよ。すぐ溜まるからね

おお!効率的だしゴミもでないし。あと面で剥がせると一気に作業が進んで楽しいです!

ヨシ!次に貫が出てきたからはずそう
画像

次に雑巾ずり(壁の下端線と床が接する部分に打ち付けられる部材)も外すよ
画像

この年代だと、この壁の裏に一尺五寸(約450mm)、15×0.5(いんごのごぶ)の厚みの貫板が一定の間隔で入っているはずだよ。それにこの壁を貼っているから、そこを外していけば壁は外れるんだ
画像

見えなくても貫板が入っている間隔、分かるんですか?

そりゃあね。木材のサイズと家の構造は全部頭に入っているよ。
やみくもに解体しようとしてもダメ。
家の構造がわかってないとできないんだよ。
大工が作った手順を逆再生するように解体していくよ

大工さんの仕事を逆再生!職人さんの痕跡を追うみたいで楽しいです!

よし、今日はここまで!次はこの壁をとっぱらってキッチンと洋室を貫通させるよ!
画像
つづく…

 

本アイコン関連記事

トップへ戻る